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猫に生理はあるの?出血の原因と対処法は?

病気  

ある日おうちの猫の
お尻あたりに血がついていた

その子、雌猫でしょうか?

もしかして、生理だから普通のことと
思っていませんか?

そもそも、猫に生理はあるのでしょうか

雄なら尿路系や肛門腺の異常を疑いますが、
雌だと更に鑑別しなければいけない
病気があります。

猫に生理があるのか、陰部から
出血している時には
どんなことに
気を付ければ良いのか
紹介していきます。

重症になると命に関わることもあるので、
甘く見ずに異常を見分けましょう。


猫に生理はあるの?

実は、猫に生理はないんです。

猫は交尾排卵動物で、交尾の刺激で排卵します。

一方犬は周期排卵動物です。

周期排卵は、一定時期で勝手に排卵します。

人間も犬も周期排卵動物で、
交尾の有無に関係なく一定の時期に排卵します。

どちらも群れで生活する習性が関係しています。

妊娠しなかった時に子宮内膜や卵子を
排出するのが人間の生理。

排卵したうえで妊娠の準備をするのが犬の生理。

しかし猫は、元々群れでは生活していない動物。

出会いが少ないので、周期排卵だと
子供を作るのに効率が悪いです。

そのため、交尾したあとに排卵し、
確実に受精できるようになっています。

本格的な妊娠の準備も受精してから始まるため、
生理が無いんです。

猫のお尻から出血!考えられる3つの原因

猫に生理が無いことは分かりましたか?

そうすると、なぜ陰部から出血することが
あるのでしょう。

もしかしたら、陰部ではなく
お尻かもしれません。

発生の比較的頻繁なものを例にとって、
原因を紹介していきます。

1.怪我による出血

活動的な子だと、思わぬ場所を
怪我することもあります。

内臓の異常ではなく、外傷がないか
チェックしてみましょう。

もしかしたら、陰部ではなく肛門腺が破裂したり
喧嘩でお尻を咬まれたりしている
かもしれません。

これはこれで放っておくと
感染が広がりやすいので、外に出ていく子や
肛門腺が溜まりやすい子は気を付けましょう。


2.尿路感染による出血

猫は、膀胱炎になりやすい動物です。

よく話題になるのは雄猫ですが、
雌猫も膀胱炎になり得ます。

尿道がそんなに細くないので、尿閉になることは
少ないですが血尿になることがあります。

尿に血が混ざると色が薄まって
ピンク色に見えるので、トイレシートや砂の色
毎日チェックしましょう。

膀胱炎で感染が起きている場合、重症化すると
腎臓にまで害が及ぶことがあります。

トイレって毎日見ますし、ちょこっとだけ
観察することを習慣化してみてください。

3.子宮の病気による出血

避妊していない雌猫の陰部出血と聞いて、
獣医が鑑別診断の上位に挙げるのがこの病気。

子宮蓄膿症です

犬に比べると猫は発生が少ないんですが、
見逃せない疾患です。

子宮の内側に膿が溜まる病気で、
膣から膿が出てくることがあります。

稀に膿が溜まっているのに膣からは
出てこない子もいて、その場合溜まり切って
破裂したりするので重症化しやすいです。

尿に比べるとピンクの粘液のような膿が
見えることがあるので、生理だと
勘違いしないでくださいね。

以前友人から「猫って生理あるっけ?」
相談を受けたのですが、病院にすぐ行くことを
すすめたらやっぱり子宮蓄膿症だったことが
ありました。

早期発見なら避妊手術と同じくらいの
負担で済むので、早めの処置が大事です!

猫のお尻から出血が見られた場合の対処法とは?

猫のお尻あたりから出血が見られたら、
できればお尻から出血しているのか
陰部から出血しているのかを
確認できると良いです。

例えば救急で動物病院にかかるとき、
お尻か陰部かで電話の時点で獣医師が
予想する病気が違います

対処法は原因により違います。

便秘などで肛門がちょっと切れたくらいなら
焦る必要はありませんから、病院の
開いている時間に直腸検査など
受けるのをおすすめします。

ただし陰部から膿のようなものが出ていて
猫がぐったりしているなら、できるだけ早く
病院に行きましょう。

膀胱炎の気がある子なら、水分を摂れるように
心がけることが必要です。


猫の子宮系の病気の予防は避妊手術が最適

陰部からの出血で怖いのは、子宮蓄膿症や子宮、
卵巣の腫瘍など。

これらは完全に予防することが可能な病気です。

手段は避妊手術

乳腺腫瘍は100%予防することが不可能ですが、
子宮、卵巣の病気は可能です。

何しろ、取ってしまえばものが無いのですから。

子供が欲しい、先天的な問題で
手術ができない事情があるなら
それを優先してももちろん構いません。

でも、健康で子供も作るつもりが無いなら、
発情のストレスを解消するためにも
避妊手術をおすすめします。

まとめ

猫の陰部の出血について、
注意すべきことは分かりましたか?

ポイント
  • 猫には生理は無い
  • 出血しているのはお尻なのか、
    陰部なのかチェック
  • 陰部からの出血には、重症化すると
    命に関わる病気もある
  • 子宮・卵巣系の病気を予防するには避妊手術

避妊手術が絶対嫌という飼い主さんもいるので、
そこは個人の主義です。

それに、陰部から出血しているからといって
子宮の病気とは限りません。

でも、できるだけ猫の異常を
早めに発見できるようにしておきましょう。

膀胱炎なら感染が起きる前に治療したいし、
子宮蓄膿症なら破裂前に治療したいですよね。

神経質になる必要はありませんが、
毎日のお世話にちょっとだけの注意を
追加してみましょう。


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ライター紹介 ライター一覧

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比嘉 恵

動物が好きで、小動物病院で5年間勤務していました。
今興味があるのはホリスティックと皮膚科なので、どんどん勉強していきたいです。

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