ビール酵母は猫の腎不全に効果あり?与え方や副作用を解説
多くの猫ちゃんがなると言われている腎不全。
保険会社等の統計では、約1/3の猫が腎不全で
亡くなると言われています。
猫の腎不全は、進行がゆっくりの場合が多く、
何年も元気なことが多いですが、根本治療はなく
対症療法等で進行を遅らせるしかありません。
してあげられることの少ない猫の腎不全ですが
ビール酵母が猫の腎不全に効果があると
言われています。
今回は、ビール酵母と猫の腎不全について
お話します。
この記事に書いてること♪
ビール酵母が猫の腎不全に効果がある3つの理由
実際、ビール酵母にはどのような効果が
あるのでしょうか?
具体的には以下の3つの効果が期待できます。
1.BUN(尿素窒素)やCRE(クレアチニン)の数値を下げる
腎機能の指標として一般的に用いられるのが、
BUN(尿素窒素)やCRE(クレアチニン)です。
血液検査でこれらの値が高いほど、腎機能が悪い
ということになります。
ビール酵母を与えると、
これらの値が下がったと言われていますし、
ラットでの実験では予後を有意に延ばしたとの
報告があります。
腎臓は、体内で不要になった物を尿から排出する
役割を果たす臓器ですが、
ビール酵母は、腸から便へ老廃物の排出を促進し
腎臓の負担を軽減すると考えられています。
同様に、腸内で老廃物等を吸着して便に排出する
吸着剤は、従前より腎不全治療でよく使用され、
寿命を延長すると報告されています。
ただ理論的には、腸内での老廃物の吸着だけでは
CREも低下するとは考えにくいので、
ビール酵母は、それ以上の効果があるのかも?!
2.不足しがちな栄養を補う
ビール酵母には、ビタミン、ミネラル、アミノ酸
といった栄養素が多く含まれます。
例えばビタミンB群は、エネルギーを作ることを
助ける働きがあります。
エネルギーを効率よく作り、疲労回復を早めたり
免疫力を高める効果があります。
腎不全では慢性的に食欲が悪くなりやすいので、
こういった栄養素を補うのは有益ですし、
ビール酵母は腸の動きを活発にする効果もあり
食欲の増進にも役立ちます。
結果、「活発さや毛艶も良くなった」
という意見も多く聞かれます。
3.腸内環境を整え消化・吸収を助ける
食物繊維を多く含み、腸内環境を整えることにも
役立ちます。
腎不全の猫は、尿中に水分が多く出てしまうので
水分が不足しがちで便秘になりやすいです。
ビール酵母は、便秘解消にも役立つとともに、
軟便の猫では、便が適切なると言われています。
ビール酵母の与え方
ここまでいいなら、試したくなりますよね。
では、ビール酵母を与えるには、
どうすればいいでしょうか?
具体的には、サプリメントの他に、
最近ではビール酵母入りのフードもあります。
1猫専用のビール酵母サプリメントを与える
猫専用のサプリメントが販売されています。
動物病院でも置いてあるところはあります。
猫は、フードのこだわりが強いので、
フード変更が難しい子や、療法食の子なら
サプリメントがいいと思います。
ネットでは、ヒト用ビール酵母を与えている
というのもよく見かけますが、
量など不確定な要素も多いので、猫用の方が
いいと思います。
2ビール酵母入りのキャットフードを与える
サプリメントをあげるのが難しい場合、
ビール酵母含有の総合栄養フードもあります。
好んで食べてくれるなら、お手軽ですし、
与えやすいかもしれません。
総合栄養食なので、特に病気等がない子でも
当たり障りなくあげることができます。
ビール酵母の副作用はないがサプリメントが苦手な猫もいる
ビール酵母自体は、与えることによる副作用は
ないと言われています。
しかし、与えること自体が難しい子はいます。
フードに混ぜてあげることもできますが、
警戒してご飯を食べなくなる子もいます。
その場合、無理矢理飲ませないといけません。
これから先、毎日ずっとのことですので、
性格によっては、相当なストレスになってしまい
食欲低下にもつながりますが、
慣れれば大丈夫なことも多いです。
猫によっては、この動画のように、
サプリメントが大好きな子もいるようです。
まとめ
- ビール酵母は腎不全の予後を延ばす
- 腎不全に伴う症状も改善
- 与えることが容易ならデメリットなし
多くの猫が罹患し、根本的解決が難しい腎不全。
腎不全の治療の目標は、生活の質の維持と
腎不全進行の抑制です。
その中で効果を示す正式な報告はありませんが
ビール酵母は効果的な治療の一つとして
期待できます。
実際、ビール酵母と同様の働きをする吸着剤は
一般的な治療法として長く使用されています。
それら吸着剤の効果に加えて、ビール酵母は
栄養補給や腸内環境改善にも期待できます。
投薬が難しい子はストレスかもしれませんが
現在確立されている腎不全の治療は、
点滴や投薬などで、同様のストレスがあるので
ある程度は許容するしかないかもしれません。
一度悪化した腎機能を治す治療はありませんし
少しでも腎臓を長持ちさせるには、早期から
できることをやってあげることが大事です。
他にも、科学的根拠はないですが
腎不全に効くと言われるものはあります。
以下のページなどもご参考に。
⇒ビオフェルミンは腎不全の猫に効果あり?飲ませ方や注意点を紹介
その子の性格と病気の性質、生活の質を考え
そのこにとって総合的にベストな道を
飼い主さんが考えてあげてください。
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