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猫の腎臓病の治療とは?治療費はどれくらいかかる?

病気  

突然愛猫が腎臓病だと宣告された
とてもショックですよね。

できる限りのことは何でもしてあげたい
と思っても、どんな治療があるのか
また治療費がいくらくらいかかるのかは
気になるところだと思います。

私の猫もちょうど14歳になったのですが
前回の定期健診で腎臓機能の
低下を指摘されショックを受けました。

腎臓病は猫の死亡原因として
常に上位に入ってる病気です。

腎臓病は年齢が上がるにつれ
発症率も高くなると言われてます。

今回は、そんな猫とは
切っても切り離せない関係の
腎臓病についての治療法と
その費用についてまとめてみたので
参考にしてください。


猫の腎臓病の治療とは?

腎臓病は「急性腎臓病」と「慢性腎臓病」
の2つに分けられます。

急性腎臓病は毒性のものを食べたりした場合や
尿結石が原因でなる場合が多い病気です。

治療は点滴や人工透析などが行われ
毒素や尿石を排出できれば
回復が望めます。

一方、慢性腎臓病は腎臓の中で
毒素をろ過する働きの「ネフロン」
という組織の機能が徐々に
失われていく病気です。

進行が遅いため、その異常に
気づきにくく、気づいた時には
症状が悪化しているケースも
多いのが特徴です。

猫がかかる腎臓病で圧倒的に多いのは
この「慢性腎臓病」です。

残念ながら、慢性腎臓病になってしまった
場合には、完治を望める治療法はありません。

そのため、症状を和らげて進行を遅くする
治療法が行われます。

慢性腎臓病の治療は以下の
3つに分けられます。

慢性腎臓病の治療方法
  • 食事療法
  • 嘔吐や脱水などの症状を抑える対症療法
  • 投薬による治療

腎臓に異常がある場合
猫の口臭が生臭くなる場合もあります。

猫の口臭に関しては
こちらでも詳しく説明しているので
参考にして下さい。

猫の口臭が生臭い!考えられる3つの原因とその対策とは?

1.食事療法

食事に気を付けることで
腎臓機能を維持することができます。

ポイントは以下の3つです。

腎臓機能を維持する食事
  • 低リン、低ナトリウム
  • 低量、高品質タンパク質
  • 高オメガ3脂肪酸、EPA、DHA

低リン、低ナトリウム

腎機能が低下してくると
リンやナトリウムなどを
排出するのが難しくなるため
高血圧になる可能性があります。

そのためこれらの摂取を控えることで
腎臓にかかる負担を少なくして
腎機能を維持できると言われています。

また、リンの摂取を控えることで
寿命が延びることは科学的にも
証明されています。

低量、高品質タンパク質

タンパク質を取ると、
窒素排出物が出ます。

通常ならば腎臓にろ過されますが、
腎機能が低下している場合には
腎臓に余計な負担がかかってしまいます。

そのため、タンパク質を控える
ことで腎機能を維持できます。

しかし、タンパク質は
重要な栄養素でもあるため、
高品質なタンパク質を
少量摂取することが重要となります。

高品質なタンパク質であればあるほど、
そこから作り出される
老廃物の量も少なくなります。

高オメガ3脂肪酸、EPA、DHA

オメガ3脂肪酸は高血圧や
酸化ストレスの低減に
効果があると言われています。

そのため、積極的に摂取する
ことによって腎機能の維持に
効果的であると考えられています。

腎臓病用の療養食を利用することで
これらの栄養をバランスよく
摂取することができます。

この療養症はヒルズやロイヤルカナンなど
色々なメーカーから出されていて
ペットショップなどでも
買いやすくなっています。

獣医師と相談の上療養食に変えることで
腎機能を少しでも長く維持する
ことができます。


2.嘔吐や脱水などの症状を抑える対症療法

慢性腎臓病のサインとして
挙げられるものに、
嘔吐があります。

腎臓の機能が弱まって
毒素が体に回る事によって
頻繁に吐くようになってしまうと
脱水症状になったりもします。

そのため、嘔吐が激しい場合には
嘔吐を止める薬と、脱水症状を治療するために
点滴が行われる場合もあります。

3.投薬による治療

もし高血圧を発症している場合は
血圧をコントロールする低圧剤も処方されるなど
症状に合わせた薬も処方されます。

また、2017年の1月に承認されたばかりの
「ベラプロストナトリウム」(ラプロス®)
という薬も慢性腎臓病の進行を抑える薬として
話題を呼んでいます。

この薬は本来人間の血流を良くする薬として
使われていますが、猫の腎臓病の進行を遅らせる
ことにも効果的とされています。

この薬が承認されるまでは
慢性腎臓病の進行を
抑える薬はありませんでした。

愛猫が慢性腎臓病だと申告された
飼い主に取っては朗報ですね。


猫の腎臓病の治療費はどれくらいかかるの?

愛猫が病気になってしまったら
できるだけの事はしてあげたいですよね。

でも治療にはお金がかかる事も事実です。

慢性腎臓病になってしまった場合には
完治することは難しいので、この病気と
一生付き合っていく必要があります。

ここでは腎臓病になってしまった場合に
かかる、おおまかな費用を紹介します。

通院にかかる費用

初診時には様々な検査をするので
平均で2~3万円かかります。

以下が検査費などの詳細です。

  • 採血量:700円
  • 全血球検査:1800円
  • 生化学検査:4600円
  • 尿検査:1400円
  • 血圧検査:1100円
  • レントゲン:4000円
  • 超音波検査:3200円
  • 点滴:2000円
  • 内服薬:月約5000円

また、慢性腎臓病になった場合
多くの場合が脱水症状によって
定期的な輸液が必要となります。

そのため、毎月かかるお金は
以下のようになります。

点滴代2000円+薬代5000円=7000円(月)

7000円×12か月=84,000円(年)

保険に入っていた場合は、保険でカバーされる
可能性もありますが、もしそうではない場合は
大きな出費となります。


入院にかかる費用

もし症状が悪化した場合などは
入院して集中的に24時間点滴を
して症状の改善を図る場合があります。

その場合、かかる費用はおよそ
1日7000円から15,000円です。

平均で3、4日入院となる
場合が多いようです。

治療費は腎臓病のステージによっても
様々です。

こちらの記事でステージ別に症状を解説
しているので参考にして下さい。

⇒猫の腎不全の症状とは?初期から末期までステージ別に解説

猫の腎臓病は治るの?

上述したように、急性腎臓病の場合は
迅速、かつ適切な処置で治る場合もあります。

しかし、慢性腎臓病になってしまった場合は
残念ながら、完治はしません。

猫ちゃんの様子を見ながら
改善できる症状は改善して
できるだけ進行を遅くすること
に焦点を当てた治療が
行われることになります。

まとめ

以上が猫の腎臓病についてでした。

腎臓病は猫がかかりやすい病気でありますが
一度慢性腎臓病になってしまうと
完治することはありません。

子猫の頃からバランスのとれた「総合栄養食」
与えることでリスクは軽減されます。

年を重ねれば重ねるほど
リスクがあがる病気
なので
定期的に検査することで
早期発見に繋がります。

もし少しでも症状が現れた場合には
早めに対処することで
進行を抑えることができます。


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森乃 きりん

小さいころから動物に囲まれて育ち
動物なしでは生きられません!
大学は海外の野生動物学を専攻し、
動物看護士の資格を持っています。
動物関係の職場で6年間勤務し、
現在は2児、4匹の猫、2匹の犬、
ニワトリ、アヒル、金魚と共に
田舎暮らしをしています。
皆さんの役に立つ記事を書いていきたいと思いますので
どうぞよろしくお願いします。

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