猫除けにペットボトルの水は効果がない?理由と噂が広まった原因
猫は好きでも、野良猫の糞尿、ゴミ荒らしなどに
お困りの方は多いのでは?
野良猫被害のために、様々な対策をしている
という話はよく耳にします。
そんな対策の中で、最もよく見かける一つが、
「ペットボトルに水」です。
「ペットボトルに水を入れて並べておく」という
対策は、実際に野良猫に困っていない方でも、
一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
「ペットボトルは本当に効果があるの?」
この真偽については、あまり知られていないのが
現状です。
今回は、猫除けとしてのペットボトルウォーター
についてお話します。
この記事に書いてること♪
猫除けにペットボトルの水は効果がない!理由も併せて紹介
まず、猫除けとしての効果についてですが…
残念ながら効果は全くありません。
そもそも、「猫はキラキラ光るものが嫌い」
という発想が由来のこの方法。
ペットボトルに入れた水が、
太陽光に反射してキラキラ光り、
眩しくて猫が逃げていく…というものです。
でも実際には、そんなことは全くありません。
その理由は、以下の3つのとおりです。
1.ペットボトルが邪魔だから避けていただけ
稀に、ペットボトルを避けて歩いているように
見える猫もいます。
ただ、これは単に、邪魔だから歩きやすい所を
歩いているだけです。
実際、ペットボトルを気にする素振りは全くなく
必要があれば普通に通っていきます。
猫は、警戒心は強いですが、
同時に、学習能力も非常に高い動物ですので、
無害なものは、すぐ覚えて気にしなくなります。
ペットボトルを置いてすぐは、警戒する子も
いるようですが、すぐに気にしなくなります。
2.猫はキラキラしたものを恐れる動物ではない
そもそも猫はキラキラするものを恐れることも
ありません。
一般的に野生動物はキラキラするものを避ける
傾向があることに由来する考えかと思われますが
車のライトや、ネオンなど光るものが溢れた
街中での生活に慣れている猫は、キラキラする
光をそこまで恐れません。
また、動物病院で眼科検査を行う時に、
強い光を当てることがありますが、
人自体や体を触られることを嫌がる子はいますが
光自体を恐がる子は、見たことがありません。
3.ペットボトルの水の反射ぐらいでは猫の目はまぶしく感じない
眩しくて逃げるという説もありますが、
これも根拠のない説です。
実際、ペットボトルの水よりもよく反射する、
CDなどをぶら下げても猫は全く逃げませんし、
上述の眼科検査の例でも全く眩しそうにはしません。
また、2や3の説が正しいと仮定しても、
実際、野良猫の多くが活発に活動するのは夜
なので、太陽光がなくペットボトルの水は
効果を発揮できません。
猫除けにペットボトルの水!噂が広まった原因
では、そもそも、なぜこのような噂が
広まったのでしょうか?
これには、諸説あり確定的な断言はできませんが
概ね以下の流れで広まった都市伝説のようです。
1.野生動物はキラキラしたものを怖がるといった昔の言い伝えから
先にも記載しましたが、一般的に野生動物は
キラキラしたものを嫌がると言われています。
田んぼなどでキラキラしたテープが張られている
光景を見たことはありませんか?
これは「雀除け」で、この考えに基づいた対策の
一例です。
実際に野生動物が嫌がるかの真偽は不明ですが、
野生動物は警戒心が強く、人慣れもしてないので
風などで不規則な動きをするものには、
警戒心を示すこともあります。
ただ、長年、街中での生活に慣れた野良猫と
野生動物が同じ性質を持つと考えるのは、
少々無理があるようです。
2.アメリカの日刊紙の読者投稿に取り上げられたのが始まり
1の説が基になり、今度は、水を入れた瓶が、
「野良犬除け」に効果を示したという話が、
1986年、アメリカの新聞に掲載されたのが、
都市伝説の始まりになったようです。
ただ、これも科学的な記事ではなく、
一個人の経験談を掲載しただけのようです。
3.日本のマスコミが大きく取り上げたことにより噂は拡大
日本のマスコミが、この新聞記事を取り上げ、
噂は日本中に広まりました。
日本では、野良犬より野良猫が多かったこと、
ペットボトルが普及しだした頃だったことから、
元ネタから内容も日本風にマイナーチェンジされ
また安価でお手軽感があることから、
広く拡散していったのではないかと思われます。
また、日本だけでなく、欧州や豪州などへも
広がっていったようです。
その後、様々なテレビ番組等で検証を行った結果
効果がないことが伝えられていますが、
「ペットボトルに水」は、いまだに都市伝説的に
多くの人に信じられています。
ペットボトルの水を玄関に置くと火災危険も…
この「ペットボトルに水」説は、
効果がないだけでなく、リスクもあります。
水を入れたペットボトルが、収れん現象
(太陽光が屈折等で1点に集ること。虫眼鏡で
紙が燃えるのと同じ原理)によって火災が発生
した事例があります。
収れん現象が起きた先に可燃物がなければ、
火はつきませんが、どこで火災が発生するかは
分からないので、ペットボトルを取り除くのが
1番の安全策と言えます。
猫除けにはペットボトルの水よりも匂いや大きな音が効果あり
では、野良猫の対策にはどのような方法が
効果的なのでしょうか?
残念ながら、完璧に効果があると言える方法は
ありません。
ただ、一部の子に対しては効果がある方法は
いくつかあります。
代表的なものは以下の3つです。
1.超音波を出す装置
人には聞こえないが猫は嫌いな超音波を出す
装置が多く販売されています。
実際には、機械の前を通るとヒトも違和感が
ありますが、生活には支障ありません。
かなり効果が高く手間もかかりませんが、
個体差はあるのと、1万円前後することから
安易には試しにくいのがネックです。
2.猫の嫌いな匂いや大きな音
嫌いな匂いのものを撒くのも効果ありです。
コーヒーや柑橘系がよく言われますが、
経験的には、お酢や漂白剤、正露丸も
よく効く気がします。
雨で匂いが流れる、猫が慣れることが
デメリットです。
大きな音でビックリさせるのも効果的ですが、
常にできないのとご近所への迷惑が問題です。
センサーでスプレーが噴射され、匂いと音で、
撃退する装置も販売されています。
3.歩きにくいものをおく
猫は、肉球に変な物が当たることを嫌うので、
トゲトゲしたシートや、テープ等を侵入経路に
置くと入ってこなくなります。
ただし、完全に侵入経路を塞ぐことが困難です。
まとめ
- 「ペットボトルに水」は効果なし
- 野良犬や野生動物が基になった都市伝説
- 完璧な野良猫防御策は難しい
前述のとおり、「ペットボトルに水」は全く
効果がなく、火災等のリスクもあります。
置いておくメリットはないので、
撤去した方がいいと思います。
発祥は諸説ありますが、猫の特性などを考えても
全く当てはまりません。
残念ながら、完璧な野良猫対策はないので、
ダメ元で様々な方法を試してみるしかありません。
即効性はありませんが、
野良猫自体が減るような対策が長期的には有用
かもしれません。
地域が一丸となって、餌やりを防止したり、
NTR活動(野良猫に不妊手術をして放す)等が
根本解決に結び付く可能性があります。
NTRは、手間もコストはかかりますが、
数年で明らかに野良猫が減ったという報告は
多くあります。
自治体によっては、手術の補助金が出るところも
ありますし、野良猫限定で格安料金で手術を
行ってくれる動物病院もあります。
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