猫はどれくらいの高さまでジャンプできるの？着地に失敗しない理由は？

助走なしでピョンと本棚に飛び乗ったり
３段ケージから大ジャンプして
見事着地したりと、

本当に猫の身軽さは人間の比では
ありませんよね。

一体どれくらいの高さまで
猫はジャンプできるのでしょう？

また、どうして着地に失敗しないのかも
気になるところ。

ということで今回は
猫の身軽さとボディに隠された秘密を
探っていきたいと思います。

 猫はどれくらいの高さまでジャンプできる？

猫が優れた狩人であることは
ご存知ですよね。

かつて、自然界で生きる猫にとって
ハンティングで獲物を仕留めることは
生きるために最重要なことでした。

そのハンティングスタイルは、
獲物を待ち伏せて一気に襲いかかるという
スピードと瞬発力を駆使するというもので
強い脚力が必須。

ゆえに猫は特に後ろ足の筋肉が
非常に発達しているのです。

そしてその脚力の強さは
現代の家猫の中にもしっかり息づき
私たちに驚異のジャンプ力を
披露してくれています。

では具体的にどのくらいの高さまで
猫はジャンプできるのでしょうか？

猫は自分の身長の約5倍の高さまでジャンプできる

その答えは
「自分の身長の約５倍の高さ」です。

個体差はあると思いますが、
大体1.5ｍから2ｍくらいの高さまでジ
ャンプできるということでしょう。

160センチの人間の女性に置き換えると
なんと8ｍ！

ビル3階にも相当する高さです。

想像すると、
猫がどれだけ優れたジャンプ力を
持っているかが大変よくわかりますね。

猫が着地に失敗しない理由3つ

では一方で、失敗せずしっかり
着地できるのはなぜでしょう？

その理由は以下の３つ。

• 空中で受け身がとれる
• 三半規管が優れている
• 体の不自然なねじれを感知できる

一つずつ見ていきましょう。

1.空中で受け身がとれる

猫は空中で受け身をとることが
できます。

「Air righting reflex」というもので、
日本語に訳すと「空中立ち直り反射」。

ジャンプして着地するまでの
僅かな瞬間に起こる反射のことで、
具体的に言うと

• 体を横に向けて体を伸ばす
• 体をひねり、四肢を下に向けて着地に備える
• 足から地面に着地、腹でバランスをとる

というものです。

2.三半規管が優れている

そして「空中立ち直り反射」には
猫の三半規管が大きく関係しています。

三半規管とは
耳の奥にあるバランスセンサーで、
体の傾きや回転を自動的に感知します。

猫はこの三半規管がとても優れていて、
ジャンプから着地までの僅かな時間でも
バランス感覚を保ち、
体勢を立て直すことができるのです。

3.体の不自然な捻じれを感知する筋肉があるため

また、三半規管の他に、
筋肉も猫のジャンプからの着地を
成功させるのに一役買っています。

猫の首の筋肉に
不自然なねじれが生じると
筋紡錘という伸張センサーが反応。

今どの筋肉が伸びているかを感知し、
不自然に伸びた首の筋肉を戻すことで
重力に対して安定した向きに直すのです。

結果として首の位置が元の位置に戻り、
重力に対して眼球が水平、
かつ体幹に対して頭部が前方を向くよう
頭が自動調整されます。

 着地に失敗する時もあるので注意！

このように
猫の体が素早く反応することで
ジャンプからの着地を
成功させていることがわかりました。

しかし
着地に失敗してしまうこともあるので
注意が必要です。

高齢になった猫や肥満してしまった猫は
体が思うように動かない場合があるため、
ジャンプしても着地に失敗してしまう
ことがあります。

そのような猫ちゃんの場合は、
無理なくジャンプ＆着地ができるよう

ステップを用意して
なるべく段差を少なくしてやることで
対処できるでしょう。

まとめ

猫のジャンプ力の高さは
元来のハンターとしての性質が生み出した
脚力の高さによるもので、

自分の身長の５倍くらいの高さまで
ジャンプできます。

着地に失敗しないのは
受け身をとる「空中立ち直り反射」が
起こるためで、

三半規管や首の筋肉の働きによる作用が
大きいです。

高齢猫や肥満猫は
着地に失敗することもあるので、
ステップを用意するなどして
段差を少なくしてあげましょう。