猫の白血病はどんな病気?初期と末期の具体的な違いとは?
白血病とは、
言い換えれば“血液のガン”です。
人間にとっても白血病は深刻な問題。
猫の白血病においても、状況によっては
命に関わる危険性も大です!
猫の場合、
猫特有の白血病ウイルスに感染して
この病気にかかってしまうもので、
その白血病ウイルスは、
人には感染しません。
そして、この白血病ウイルスは、
世界的に見ても、
多くの猫が保有しているそうですよ。
日本でも、
特に野良猫や外猫の感染率は高く、
どの猫ちゃんでも
当たり前に注意したい病気と言えます!
しかし、感染してしまった場合でも
適切な処置を行えば
最悪の展開は回避できるでしょう。
調べてみると、
とても複雑な病気のように感じましたが、
今一度、
どのような病気なのか?
どのような症状が出現するのか?
まとめて解説していきます。
愛猫の白血病に向き合うためにも、
是非参考にして下さいね!
この記事に書いてること♪
猫の白血病ってどんな病気?発症後の症状とは?
猫の白血病の症状には、
これと言った特有のものはなく
実に様々な症状を見せるそうです。
✍主症状
主症状としては、
- 元気がない
- 食欲不振
- 発熱
- 下痢
- 水をたくさん飲む
- 尿の量が増える
- 貧血
- くしゃみ・鼻水
- 口内炎
- 体重減少
- リンパ節が腫れる
など。
このように、猫の身体のあらゆる部分に
影響をもたらすのです。
また、の猫白血病ウイルスの
大きな特徴は、
“急性期”と“慢性期”とで
分けられているようです。
急性期やら慢性期やら、
一体何のこと?って感じですよね。
このことについても、
後ほどお話していきましょう!
さて、それではこの複雑な白血病について
どのような病気なのか?
そして、初期や末期で異なる症状を
詳しく説明していきたいと思います!
感染後・発症前の潜伏期間に見られる症状とは?
まず、猫白血病ウイルスについて
正しく理解していきましょう!
猫白血病ウイルスは、
感染後、すぐに症状を
発症するものではありません。
つまり、潜伏期間があると言うことです。
多くのウイルスには
この潜伏期間と言うものがあるのですが、
白血病ウイルスは潜伏期間が
非常に長いことも特徴のようですね。
潜伏期間は1~3ヶ月。
そして、その潜伏期間中に
目立った症状は顔を出さず、
猫の見かけは至って健康、
元気そのものなのです。
しばらくは、
静かに身を潜めているのです。
この潜伏期間があることから、
感染後、すぐに血液検査をしても
結果として出て来ないようですね。
なので、感染の疑いが高い、
保護したばかりの子猫をすぐに検査しても
タイミングが悪ければ、
正しい結果は出ないのです。
もし、陰性反応だったとしても
時期を見て再検査をする必要が
あるかもしれません。
それでは、ここで
先ほどお話した急性期と慢性期について
説明していきますね!
白血病急性期
急性期とは、
ウイルスに感染後、約1ヶ月後に
陽性反応が出てきます。
そして、感染後、
初めて白血病ウイルスによる
病状を示すようになるのです。
症状としては、
- 下痢
- 食欲不振
- 貧血
- 発熱
- 口内炎
などが見られます。
感染して陽性反応が出たとき、
これらの症状を発症する猫は
およそ70%~90%と言われていて、
稀に、ウイルスそのものを
やっつけてしまうこともあるようです。
この急性期の症状が出た場合でも、
適切な治療を行うことで
症状は治まります。
ひとまずこの病気を
乗り越えることが出来るのです。
ただし、症状が重度の場合は
命の危険性も伴いますので
決して油断できるものではありません。
もし、急性期を乗り越えた!としても、
ここからが問題のようですね。
と言うのも、
通常、健康で若い猫ちゃんであれば、
白血病ウイルスを排除して
感染症はそのまま終結を迎えます。
しかし、
もしウイルスに感染した猫ちゃんが、
8週齢未満の新生子で感染した場合は
ほぼ100%持続感染するそうです。
週齢が高くなるほど、
ウイルスに感染しても
持続感染のリスクは減少しますが、
免疫力の低下した老猫、
その他、免疫力の弱い状態にあった場合は
持続感染の可能性も出てくるのです。
免疫力の弱い状態にいると、
骨髄へとウイルスの侵入を許してしまい、
血液中にウイルスを
送り込んでしまうのです。
検査として、
4ヶ月以上続けて陽性となる場合は
持続感染の疑いがあるでしょう。
この持続感染が何よりも厄介で、
持続感染を続けているウイルスは、
しばらく大人しくしているものの、
数年かけて再び症状が発症することも
あるのです!
そして、
慢性期へと進んでいきます・・・
白血病慢性期
あるデータでは、
持続感染にかかると約3年以内に発症し
死亡する例が多いとされています。
骨髄細胞へと棲みついたウイルスが、
免疫不全の原因となり、
やがて、免疫力を低下させてしまいます。
そして、2年ほど経つ頃に、
新たに慢性期の症状を発症します。
慢性期では、免疫力の低下により、
様々な病気の合併症を
引き起こすことになるでしょう。
中でも最も多い病気として
代表的なものは、リンパ腫です。
リンパ腫もガンなので、
放置してしまえば余命は1、2ヶ月。
そのリンパ腫に合わせて
治療をしていくことが必要になります。
他にも、
- 腎臓病
- 慢性口内炎
- 再生不良性貧血
など、慢性期による症状は
他の病気によって出現するもので、
“治療をすることも極めて困難”
とされていますね。
それでも、それぞれの症状に合わせて
治療をしていく他ありません。
腎不全の症状は
こちらの記事を参考にご覧下さい。
”猫の腎不全の症状とは?初期から末期までステージ別に解説”へ移動する
口内炎が出来てしまった時の対処法として
こちらの記事を参考にどうぞ!
”猫が口内炎で食事をしない時の対処法は?はちみつは効くの?”へ移動する
ただ、白血病ウイルスを保有しながらも
症状が出ることなく
長生きする例もあるので、
100%治らない病気
と言う訳でもないそうです!
自然治癒することもあるようですし、
持続感染中の治療や投薬が
効果的に働いてくれれば
復活も望めるものですよ^^
これは、
持続感染していることも問題ですが、
もっと言うと
他の病気を併発してしまうことが
最も危険な状態だと言うことです。
持続感染しているだけなら、
まだまだ諦める段階ではないのです!
初期症状から末期症状への進み方は?
それでは、猫白血病は、初期~末期を
どのように経過するのでしょう。
この猫白血病ウイルスは、
潜伏期間中では症状を見せることなく、
気付けば体調を悪そうにしている・・・
と言った感じで、
徐々に白血病ウイルスが
病状を示すようになるのです。
✍初期症状
そのときには、
- 元気がない
- 食欲不振
- リンパ腫の腫れ
- 鼻水
- 下痢
- 貧血
などの症状が見られます。
これらは初期症状として見られる症状で、
通常1週間から数ヵ月続くそうです。
先ほどの話からすると、
この時期を急性期のことだと
思っても良いでしょう。
初期症状に関しては、症状によっては
見逃してしまうこともあるため
日頃から体調チェックをして、
小さな異変にも気付けるくらいの
観察力を持っておくと良いでしょう!
白血病は早期発見、早期治療をすることで
回復を見込める病気です。
是非、日頃から体調チェックを
意識してあげて下さい。
しかし、重度の症状が見られた場合は
突然末期であることを
告げられることもあります。
例えば、
初めてウイルスに感染した子猫の場合は
そのまま末期症状へと移行してしまい、
急性期を乗り越えることが
出来ないかもしれません・・・
そして、末期症状としても、
身体に様々な異変をもたらします。
✍末期症状
・重度の貧血(口や目の粘膜が蒼白)
・著しく体重が減少
・肝臓やリンパが腫れる
・腫瘍も出来はじめる
・呼吸が荒くなる
・慢性的な口内炎
・食事や水を摂らなくなる
末期症状の主な原因は、
他の病気の合併症によるものです。
言わゆる、慢性期に症状が重症化すると
このような
末期症状になってしまうのです。
症状として、
口内炎も発症しやすいそうです。
もし口に何か違和感のあるような
仕草が見られた時は
こちらの記事も参考にご覧下さい。
”猫が口をくちゃくちゃさせている原因は?病院に行くべき?”へ移動する
おそらく、末期症状は
見てとれるくらいに衰弱していくのが
分かるかと思います。
ここまでお話してきたように、
白血病はとても複雑な病気ですが、
どんな場合においても、
早期発見、早期治療が重要です!
猫の白血病に効果的!インターフェロンってどんな治療法?
それでは、猫白血病に効果的な
治療法をお話していきましょう。
この白血病に効果的な治療法で、
よく活用されるのが
”インターフェロン”なのです。
インターフェロンには、
大きく分けて3つの働きがあります
- 抗ウイルス作用
- 抗ガン作用
- 免疫系への作用
この3つの働きによって、
白血病に効果的に作用します!
抗ウイルス作用では、
ウイルスの増殖を抑えてくれます。
同時に、免疫系への作用によって
白血球やリンパ球などの細胞を
活性化させ、免疫力を高めるのです。
インターフェロンの効果としては、
ウイルスそのものを“殺す”のではなく、
猫ちゃんの“免疫細胞を高める”ことで、
ウイルスとの闘いを
サポートしてくれるイメージです!
インターフェロンで免疫細胞を
応援することで、
健康で元気な猫ちゃんであれば、
その白血病ウイルスに
打ち勝つことが出来るでしょう!
この時点で
白血病ウイルスを完全に排除出来れば、
もう二度と白血病になることは
ないと言われています。
このインターフェロンは
1回投与することで、5~6日ほどは
抗ウイルスの働きを続けるそうです。
多くは、注射で投与する形となっていて、
連日投与、数日間隔を空けて、
また連日投与と言う方法で
治療をするのが一般的のようです。
獣医師の考え方によって
投与方法は異なりますので、
指示に従って治療をしましょう!
また、インターフェロンが効果的なのは
極初期の段階になります。
初期とは、元気がないなど、
風邪のような症状が
見られたときですね。
早期発見することで、
インターフェロンの治療は
有効となりますが、
手遅れになってしまうと
ウイルスを撲滅する治療法は
他にはないと言われています。
もし、白血病初期だった場合には、
インターフェロンと言う希望があるので
覚えておきましょう!
白血病による感染と発症、
余命についてはこちらの記事を
参考にご覧下さい。
”白血病の猫も余命まで生きることは出来る?発症からの余命は?”へ移動する
うつる前に予防!白血病のワクチンは有効?
猫の白血病に感染してしまえば、
その時の年齢や状態によって
予後不良・良好かは
極端に別れてしまいますね。
しかも、野良猫であるほど多くの猫が
感染していると思っても良いくらい
身近な病気です。
ですが、意外にもその知名度は低く、
あまり警戒せずに過ごしている飼い主さんは
多いのではないでしょうか。
私もそのうちの一人ですね・・・
我が家の場合、完全室内飼いと言うことが
唯一の救いです。
猫から猫への感染率が高いため、
外猫の場合、感染リスクは高まります。
例えば、猫同士が喧嘩したり
猫同士のグルーミングをすることで
唾液からウイルスが感染するなど・・・
しかし、この白血病ウイルスは、
ワクチン接種をすることで
予防としても効果的です!
ただ、
100%予防出来るものではありません。
けれども、もし感染したとしても
ワクチン接種を受けていれば
軽度の症状で済む場合もあるので、
予防接種をする価値は十分ありますね。
通常、3種混合ワクチンには
含まれていないそうです。
室内飼いであれば、
この3種混合でも十分だと聞きますが、
脱走して外で感染することも考えると
予防しておくのがベストかもしれません。
特に、感染するリスクの高い環境にある、
外飼いや多頭飼い、
感染猫がいる飼育環境の場合は、
猫白血病ウイルスを含むワクチンを
接種しておくことがおすすめですよ^^
まとめ
猫の白血病について、
どんな病気なのか
改めて理解できたでしょうか?
この猫白血病ウイルスは、
症状や病気の進行など、
猫ちゃんの状態によって本当に様々です。
そして、白血病に感染しながらも
生き続けられるのか、
それともやがて死を迎えるのか・・・
それは、猫ちゃんの年齢や免疫状態に
大きく左右されるものです。
もし、初期の段階で治療を行えば
完治することも可能な病気なので、
しっかりと気を持って
治療に励んで下さいね。
猫の白血病では、持続感染により
慢性期を迎えてしまうことが
最も避けたい事態と言えます。
今後も、日頃からの体調チェックや
定期的な健康診断は
行っていきましょう!
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