猫が食欲不振なのに嘔吐したら危険?考えられる病気について解説
「猫がフードを食べない上に吐いた!」
こんなときは飼い主さんとしては
非常にびっくりすると同時に
心配でたまらなくなりますよね。
猫が食欲不振なのに嘔吐したとき場合、
2つのケースが考えられます。
- 特に心配ない場合
- 病気にかかっている場合
元々猫は健康な状態でもよく吐く動物なので
食欲不振の状態で吐いたとしても
特に問題ないことがあります。
ですが一方で食欲不振と嘔吐は
多くの病気の兆候としてみられる症状でも
あります。
そしてそれらの病気は
他の症状を伴うことがしばしば。
そこで今回は
猫が食欲不振なのに嘔吐した場合に
考えられる病気について
解説していきたいと思います。
愛猫が食欲不振で吐いて不安な飼い主さんは
是非参考にしてくださいね。
この記事に書いてること♪
猫の嘔吐の回数と食欲不振に陥っている期間を確認!
猫が食欲不振なのに嘔吐した場合は、
- 嘔吐した回数
- 食欲不振の期間
を確認しましょう。
成猫の場合で食欲不振の期間が24時間まで、
そして吐く頻度が1週間に1回以下で
吐いた後も元気なようであれば、
とりあえず様子を見ましょう。
ただし24時間以上食べなかったり
吐く頻度が増したり
下痢など他の症状が出てきたりした場合は、
なんらかの異常や病気を抱えている
可能性があるのですぐに病院へ
連れていきましょう。
猫は食べムラがありよく吐くのでほとんどの場合は心配いらない
猫はそのときどきで
食べる量にムラがあったり、
健康でも吐くことが比較的多い動物です。
食欲不振で嘔吐しても、
元気そうにしているようであれば
ほとんどの場合は心配がないでしょう。
ただし食欲不振が続いたり
嘔吐の頻度が増えてきた場合は
なんらかの異常や病気を抱えている
可能性があるので病院で診察を
受けさせてください。
猫が食欲不振で嘔吐した場合に考えられる5つの病気
猫が食欲不振で嘔吐した場合、
5つの病気が考えられます。
- 猫パルボウイルス感染症
- 慢性腎不全
- 糖尿病
- 毛球症
- 寄生虫
次からの項目で
それぞれ詳しくお伝えしますので、
愛猫に当てはまる症状がないか
チェックしながら読んでみてくださいね。
猫の食欲不振の原因について
詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
病気以外の原因もたくさんあるので
知識を蓄えておきましょう。
1.猫パルボウイルス感染症
猫パルボウイルス感染症
(猫汎白血球減少症・猫伝染性腸炎)は
重い感染症のひとつで、
パルボウイルスに感染することによって
引き起こされます。
体力のある成猫の場合は
症状が比較的軽く済むこともありますが、
子猫や高齢猫など体力のない猫の場合は
数時間から数日で急激に衰弱して
死亡することも少なくありません。
- 吐き気
- 下痢
- 血便
- 40度を超える発熱
- 食欲不振
- 水を飲まない
などの症状がみられるほか、
腹痛のために背中を丸めた姿勢を
とることもあります。
治療は
- 点滴
- 皮下への輸液
- 抗生物質の投与
- インターフェロンの投与
などを行います。
猫パルボウイルス感染症は
ワクチンによって予防することが可能なので
定期的なワクチン接種をお忘れなく。
特に子猫の場合は感染すると
命に関わることもあるので、
適切な時期に必ず予防接種を
受けさせましょう。
2.慢性腎不全
腎機能の75パーセント以上が損なわれ
腎機能が低下することを腎不全といい、
数時間から数日のうちに起こる急性腎不全と
数ヶ月以上にわたって徐々に
腎機能が低下して起こる慢性腎不全に
分けられます。
高齢猫の死因No .1が慢性腎不全です。
慢性腎不全の初期はほとんど無症状で
多飲多尿がみられる程度ですが、
症状が進行すると
- 元気消失
- 食欲不振
- 体重減少
- 貧血
などの症状が現れてきます。
さらに進行すると
- 嘔吐
- 口臭
- 口内炎
- けいれん
などの尿毒症の症状がみられます。
残念ながら
腎臓の組織は一度壊れると再生しません。
つまり、
失われた腎機能は回復することはないのです。
そのため治療は
症状の進行を遅らせることを目的に
- 食事療法
- 薬物療法
を行います。
高齢猫では
生死を左右することにもなるので、
早期発見・早期治療が重要です。
「猫がいつもより水をよく飲む」
と感じたら病院で診察を受けることを
おすすめします。
3.糖尿病
糖尿病は膵臓から分泌される
インスリンの分泌量が低下するI型糖尿病、
インスリン分泌はあっても作用しない
II型糖尿病があり、
糖分を細胞内に取り込めず
血液中の血糖値が異常に高くなる病気です。
10歳以上の歳をとった猫や
肥満の猫がなりやすい傾向がありますが、
原因は
- 肥満
- ストレス
- 薬の投与
- 病気
などさまざまです。
糖尿病になると
- 元気がない
- 多飲多尿
- たくさん食べるのに太らない
などの症状がみられ、進行すると
- 嘔吐
- 下痢
- 脱水
- 食欲不振
- 睡眠時間の増加
などがみられ、衰弱していきます。
治療は毎日のインスリン注射や食事療法など。
太らせないこと、
ストレスをためさせないことで
予防しましょう。
4.毛球症
猫がグルーミングして飲み込んだ毛が
消化器官内で大きい毛玉になり、
排出できなくなることを毛球症といいます。
猫の毛は消化されないので
飲み込まれて蓄積した毛は
どんどん溜まっていきます。
それが原因で胃や腸の粘膜が炎症を起こし
傷ついて出血することがあり、
そのような場合は猫は
ピンク色の液体を吐きます。
- 食欲不振
- 吐き気
- 便秘
- 下痢
などの症状がみられたら
毛球症が疑われます。
症状が軽い場合は毛球除去剤を服用させて
便と一緒に排出させますが、
毛球除去剤の効果がなく症状が重い場合は
開腹手術によって直接毛玉を除去します。
毛球症の予防には、
よくブラッシングをしてあげることが
一番です。
1日1回のこまめなブラッシングで
無駄な毛をとり、
猫が飲み込む毛の量を減らしてあげましょう。
春先と晩秋の換毛期は
特に抜け毛の量が増加するので、
この時期は特に念入りにブラッシングを
行なってください。
ブラッシングが気持ちよくて
うっとりしている猫ちゃんをどうぞ。
▼猫をブラッシングしている動画
5.寄生虫
猫が食欲不振かつ嘔吐をする場合、
もしかしたら体の内部に寄生虫を
宿してしまっているかもしれません。
- 猫回虫
- フィラリア
- 鉤虫
- コクシジウム
- 瓜実条虫
- マンソン裂頭条虫
これらの寄生虫に感染すると
- 下痢
- 血便
- 嘔吐
- 吐いたものに虫が混ざる
- 食欲不振
- 腹がふくらむ
などの症状がみられます。
寄生虫の種類によっては
成猫だと症状が見られないこともありますが
子猫の場合重症化して最悪死に至ることも
あるので注意が必要です。
これらの寄生虫は駆虫薬の投与で
治療することができます。
なお、
市販薬と動物病院で処方される薬で
は安全性や効果が大きく異なるので、
寄生虫感染が疑わしいときは
動物病院で診断・治療を受けることを
おすすめします。
まとめ
猫が食欲不振なのに嘔吐したとき場合、
- 特に心配ない場合
- 病気にかかっている場合
の2つのケースが考えられます。
猫は元々健康でも
ムラ食いや嘔吐をする傾向があるので
ほとんどの場合は心配ありません。
ただし、
- 猫パルボウイルス感染症
- 慢性腎不全
- 糖尿病
- 毛球症
- 寄生虫
これらの病気に
かかっている可能性もあるので、
愛猫の症状をよく観察してください。
その上で罹患が疑われるときは
すぐに病院へ連れていき、
適切な治療を受けさせましょう。
このほか猫の食欲不振対策については
こちらの記事がおすすめです。
5つの対処法を実践し、
愛猫の食欲を取り戻してあげましょう。
今週のおすすめ記事6選♪
この記事をSNSでシェア