猫の背中のできものは癌?考えられる3つの病気と治療法を紹介
おうちの猫の背中に腫れているところが
あるのを見つけてしまった。
不安になるのは当然です。
最近は犬猫も高齢化社会になってきていて、
癌などの怖い病気の話も飼い主さんの
耳に入ることが増えてきました。
猫の背中にできものがあったとき、
どんなことが考えられるのでしょうか。
病院で検査する前の心の準備として、
比較的頻度の高めなものを紹介していきます。
できものが癌ではなく炎症ということも
十分ありうるので、背中に何か異常を見つけて
悲観しすぎないでくださいね。
この記事に書いてること♪
猫の背中にできものができたときに考えられる3つの病気
猫の背中にできものがあったとき、
どんな病気が考えられるか紹介します。
癌の場合に比較的多いのは以下の3つです。
もちろん怪我が原因で膿疱ができて
腫れていたり、皮膚炎が原因で湿疹が
できたりもするので絶対腫瘍とは
見ただけでは決められません。
きちんと検査をして、早合点しないように
しましょう。
下の3つ以外にも、皮膚型リンパ腫というのも
変わり種であります。
1.肥満細胞腫
猫の背中にできる皮膚腫瘍としては、
日本では2番目に多いと言われています。
肥満細胞という炎症性細胞が腫瘍化する癌で、
よく勘違いする人も多いですが
肥満は関係ありません。
小さな湿疹のようにしか見えないこともあり、
正直なところ日ごろ猫の身体を触っている
飼い主さんにしか分からない場合も多いです。
内蔵型と皮膚型に分かれるのですが、
皮膚型は50~90%が良性と言われているので
病理検査がはっきりするまでは
悲観的になるのは早いですよ。
2.扁平上皮癌
扁平上皮細胞がある場所にできる癌です。
皮膚の細胞を作っているため、
皮膚のあるところにはどこにでも
できる可能性があります。
しかし、猫でできやすいのは
背中というよりは顔。
耳や口の中などが比較的よくできものとして
見られ、顔にいつの間にかできた傷が
中々治らずジュクジュクしている・・・
なんてときには疑ってみて良いかもしれません。
もちろん背中にできることもあるので、
鑑別には入ってきます。
免疫が弱っている猫や、
白猫にできやすいと言われています。
3.線維肉腫(ワクチン接種肉腫、注射部位肉腫)
注射を打った場所の組織が腫瘍化する癌です。
以前は猫白血病ワクチンでの報告が
多かったためワクチン接種肉腫と
呼ばれていましたが、他の注射薬でも
報告がみられるようになったため
名称が変更になりました。
発症は1~2例/10000例くらいと
かなり稀な腫瘍です。
注射は予防や治療のためにやらざるを
得ないものではあるので、この腫瘍に恐怖して
今なっている病気の治療をしないというのは
ちょっとどうかと個人的には思います。
もちろん飼い猫がこの腫瘍になってしまうのは
怖いし、治療しないのは飼い主さんの
選択なので一概には言えませんが・・・。
3つの病気の治療法
3種類の腫瘍の治療法を紹介します。
それぞれ悪性度と治療法が違うので、
予後の考え方の参考にしてください。
基本的に治療は獣医さんとの連携が
重要になるので、飼い主さん自身が
人間の病気のことを詳しく知っていても
動物病院へ行き獣医さんと
よく話し合ってください。
1.肥満細胞腫は自然に小さくなるのを待つか手術で治療
肥満細胞腫は、グレードにより
悪性度が違ってきます。
そのため、もし肥満細胞腫だと
検査で判明した場合には手術して
病理検査に出すことを勧めます。
病理検査はある程度の組織量がないと
検査できないので、悪性度を調べるなら
切除しないといけないのです。
病院で無麻酔でやる検査は微小な組織しか
とれないので、病理検査に出すには
足りないんです。
手術に抵抗があったり体調の問題で
手術が難しい場合には、ステロイドを使用し
退縮するか見ることもあります。
悪性度をしっかり調べたことで
使っていく薬も違うし、遺伝子検査をやることで
分子標的薬という身体に比較的負担の少ない
抗がん剤を使用できるかもしれません。
無治療で経過を見るのも選択のひとつですが、
治療をするならしっかり検査をすることを
オススメします。
2扁平上皮癌は早期発見がカギ!手術と抗がん剤で治療
扁平上皮癌は、皮膚、上部消化管、子宮頚部の
表面を作っている細胞が癌化したものです。
悪性度が高い腫瘍なうえ増殖スピードが
早めなので、小さいうちに切除することが
まず大切です。
顔など大きく切除するのが難しい場合には、
放射線治療を行うこともあります。
抗がん剤が効き辛いと言われていましたが
最近は非ステロイド系抗炎症剤なども
治療に使われるようになっているため、
おうちの猫の状態により
治療を選択していきましょう。
他の臓器に転移することもあるので、
切除・治療後も転移巣がないか、
再発はないかを定期的に観察していきます。
できものの中ではかなり警戒すべき腫瘍では
あるので、猫の耳や口の中をチェックしましょう。
猫の癌の進行速度を紹介しているので、
チェックしてみてください↓
⇒猫の癌の進行速度は速い?早期発見するためのセルフチェックを紹介
腫瘍は良性でも悪性でも早期発見が
望ましいですし、進行が早いものなら
なおさらです。
セルフチェックをコミュニケーションがてら
取り入れてみましょう。
3線維肉腫の治療は手術が基本!再発しやすいので注意
もし繊維肉腫が猫にできてしまったら、
基本的には早期に切除することが望ましいです。
特にワクチンによる線維肉腫は
転移する可能性が自然発生の線維肉腫よりも
高くなると言われているので、小さなうちに
十分なマージン(腫瘍以外に余分に
切除する部分)をとって切除したほうが
良いのです。
抗がん剤は効果がまちまちなのが
この腫瘍なので、猫に腫瘍ができたと思ったら
早めに検査しましょう。
猫の背中にできものができたらまず病院へ
腫瘍の検査には、発見したら早めに
病院へ行きましょう。
かかりつけの病院で行うのは
FNAと呼ばれる検査が多いかと思います。
この検査では腫瘍細胞がそのできものに
含まれているかどうかを検査して、
手術するべきかどうかを見ていきます。
さすがに良性か悪性かは分からないので、
手術してからその組織を病理検査に出して
調べてもらいます。
とって終わりであれば最良ですが、
運悪く悪性腫瘍であった場合には
抗がん剤治療をするかどうかの選択になります。
転移してからでは治療の選択肢も
無くなってしまうので、まずはしっかりと
検査をしましょう。
まとめ
猫の背中のできものについてなんとなく
掴めましたか?
- 炎症の場合もあるが、腫瘍のこともある
- 早めに切除手術が必要な種類の腫瘍がある
- 発見したらまずは病院へ
こういうことについては、どうしても
おうちでは対応できないものです。
すぐに行けるかかりつけの病院を
あらかじめ作っておいて、できものを発見したら
早めに検査ができるようにしておきましょう。
特に中年を超えてくると腫瘍のリスクが
高まってくるため、撫でているときに
身体の変化をチェックしておきましょう。
メス猫のお腹にしこりを見つけたときに
考えられることについても紹介しているので、
チェックしてみてください↓
しこりにも色々あるので必ずしも
できものとは限りません。
安心のためにも早めに検査しましょうね。
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