メス猫のお腹にしこり!考えられる病気とは?
いつものように愛猫のお腹を
なでなでしていたら…
「あれ?!これって…しこり?!」
触っても特に気にしない猫ちゃんも
いるかもしれませんが、しこりがあったら
ガンではないかと心配で
夜も眠れなくなってしまいますよね。
私は以前、動物病院で働いていたのですが
ペットのしこりを発見して病院に来た方の
多くは「ガンではないか…」と相談に
来られました。
しこりがあった場合はどうしても
ガンなど悪い方向に考えてしまいますが、
良性のしこりの場合も多くあります。
しかし本当にガンであった場合は
発見が早ければ早いほど、治る確率は
高くなります。
今回は猫ちゃんのお腹にしこりを
発見した場合に、どんな病気が
考えられるのかを紹介して
いきたいと思います。
この記事に書いてること♪
メス猫のお腹のしこりの正体とは?
「しこり=腫瘍」
と考える人もいるかもしれませんが、
すべてのしこりが腫瘍であるとは限りません。
「しこり」とは筋肉が凝って硬くなったり
皮下組織にできる塊のことを言います。
お腹にしこりができると
「内臓に腫瘍があるのでは?」
と思うかもしれませんが、
実際に内臓は筋肉や
腹膜という膜に囲まれているため
触っても分からないことがほとんどです。
「じゃあ、このしこりは何?」
と思いますよね。
触ってわかるしこりの正体は
「乳腺やリンパの腫れ」または「皮膚のしこり」
であることがほとんどです。
お腹にしこりがあるときに考えられる病気とは?
それでは実際にどんな病気が考えられるのかを
見ていきたいと思います。
お腹にしこりがある場合、
考えられる病気は以下の4つです。
1.乳腺腫瘍
2.肥満細胞腫
3.基底細胞腫(皮膚がんの一種)
4.繊維肉腫
それでは順番に見ていきましょう。
1.乳腺腫瘍
乳腺腫瘍はその名の通り
乳腺にできる腫瘍のことです。
乳腺とは子猫を産んだ後に
お乳を分泌する腺なので
メスにしか乳腺腫瘍はできないと
思われがちですが、稀にオスでも
乳腺腫瘍ができる場合もあります。
乳腺は前肢の付け根から後肢の付け根にかけて
お腹全体に網目のように広がっています。
乳腺腫瘍の場合、腫瘍は特にお腹付近に
できやすいのが特徴です。
乳腺腫瘍は皮膚の腫瘍
リンパ腫に次いで
猫にできる腫瘍の中でも
3番目に多い腫瘍と言われています。
また、乳腺腫瘍ができた場合、
その90%近くが悪性腫瘍であるとも
言われます。
乳腺腫瘍の大きさは様々ですが、
進行すると同時に大きくなっていく
のが特徴です。
腫瘍ができると、その付近の乳頭から
黄色っぽい液体が出る事もあります。
一歳未満で避妊手術をすることで
発症を大きく予防することができると
言われています。
2.肥満細胞腫
肥満細胞とは、体に異物が侵入した時に
ヒスタミンなどを放出して、アレルギー反応や
炎症を起こすきっかけを作る細胞のことです。
この細胞は体のあちこちに存在しますが
皮膚にできるものを「皮膚型肥満細胞腫」
内臓にできるものを「内蔵型肥満細胞腫」
といいます。
お腹にしこりが感じられる場合は
「内臓型肥満細胞腫」になり、主に
脾臓や肝臓、小腸に腫瘍ができます。
内蔵型肥満細胞腫は悪性の場合が多く
転移しやすい傾向があります。
3.基底細胞腫(皮膚がんの一種)
基底細胞腫は皮膚がんの一種ですが
良性であることが多い腫瘍です。
頭部や頸部、体幹にでき、しこりが
皮膚にできます。
良性の場合は頭部や体幹に多くでき
しこりは硬く、色素沈着があるのが特徴です。
悪性の場合は頸部にできることが多く
色素沈着がなく浸潤性があります。
腫瘍はだんだん広がっていき、
転移することもあります。
4.繊維肉腫
繊維肉腫とはコラーゲンを作る
繊維芽細胞という細胞から発生する
腫瘍です。
ワクチン接種肉腫と呼ばれるタイプ
が多く、そのタイプは予防接種をした後に
その部位に肉腫が発生します。
ワクチン接種肉腫の場合のみ
転移性が高い特徴があります。
その他にも乳腺や顔面、四肢、体幹など
あらゆる場所に発生することがありますが
転移性は低いとされています。
繊維肉腫は硬く、周りの組織に
密着しているために形がはっきりしない
場合が多いです。
メス猫に多い乳腺腫瘍の治療法とは?
ここで乳腺腫瘍に話は戻って、その治療法を
についてお話したいと思います。
乳腺腫瘍が見つかった場合、
治療は乳腺の切除と
避妊手術をしていない場合は
卵巣と子宮の摘出も
行われます。
乳腺腫瘍は悪性で
転移する可能性が高いため
手術前にはレントゲンなどで
確認する必要があります。
悪性の場合、特に肺やリンパ節に
転移する場合が多く、
もし進行している場合は手術をしても
数か月しか生きられない場合もあります。
進行具合や転移場所によっては
放射線治療や化学治療なども行われます。
また、悪性の乳腺腫瘍は痛みを伴う場合も
あるため、その場合は鎮痛剤が処方されます。
乳腺腫瘍は悪性でも早期発見して
転移する前に腫瘍をすべて取り除けば
再発を防ぐことも可能です。
日ごろからお腹を触らせてくれる
機会があればしこりや腫れがないかを
チェックしてみましょう。
リンパ節に転移した場合については
こちらの記事も参考になります。
まとめ
以上がお腹のしこりがある場合に
考えられる病気でした。
猫のお腹の皮膚はとても
柔らかいため、強く揉んだりしなくても
普通に撫でるだけでしこりを発見できる
こともあります。
普段からスキンシップを兼ねて
しこりの有無をチェックをすることで
早期発見につながります。
悪性の腫瘍の場合でも、早くに発見
すればするほど治療できる可能性が
大きくなるので、どんなに小さなしこりでも
発見したらすぐに病院に連れていきましょう。
もし愛猫が末期がんと診断されたら…
こちらで症状や食欲がない場合の
対処法なども紹介しています。
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