猫はミントが好き?食べると有害なものもあるので要注意!
ヒトよりも非常に嗅覚が優れている猫ちゃん。
野生で食べられる、食べられないものを
判別するには必要な能力かもしれませんね。
かなり個体差もありますが、嗅覚が優れている分
猫は匂いの好き嫌いがはっきりしています。
今回は、その代表として「ミント」について
ご紹介します。
最近は、育てやすくオシャレにお料理などを
彩れることから、お家でハーブを栽培されている
方も多いのではないでしょうか?
また、ミントのガムを食べていると寄ってくる姿
を見て可愛く思う方もいるのでは?
ミントの香りは好きな子も多いですが、
有害な場合もあり、十分な注意が必要です。
この記事に書いてること♪
猫のミント好きは個体差による
一般的にミント系の香りは苦手な香りに
分類されていることもありますが、
実際にはミントが好きという猫も多くいます。
また、デンタルケア用品などにはミント系の
フレーバーが使われているものあります。
ミントに限らず、猫は好き嫌いの個体差が
大きくはっきりしている動物です。
普段のご飯も、ウェットを好む子もいれば
ドライしか食べない子もいますし、
確実にみんなが好きなフードもありません。
また、嫌いなフードはどんなに粘って頑張っても
一切受け入れないことも珍しくありません。
なので、ミントが特別というわけではないですが
好みが大きく分かれるものの一つではあります。
猫に与えても害のないミント
では、好むようならミント自体は与えても
良いのでしょうか?
冒頭でもお伝えしましたが、
場合によっては、害になることもあります。
ただ、ミントは何百種類とありますし、確実に
ダメなミントの種類がはっきりしていないのが
現状です。
年齢、体質、健康状態、ミントの量などにより
変わってくるようですが、
一般的に大丈夫と言われている代表例には、
以下のものがあります。
1.キャットニップ(西洋マタタビ)
「西洋マタタビ」や「イヌハッカ」と呼ばれる
ミントです。
猫のおもちゃの詰め物によく使われます。
猫は「マタタビに酔う」と言われますが、
西洋マタタビと言われるとおり、
マタタビ同様、恍惚感をもたらします。
医学的には、Nepetalactoneと呼ばれる物質が
脳の情動を制御する扁桃体やホルモン分泌を司る
視床下部の下垂体を活性化し、効果を示します。
約1/3の猫はキャットニップに反応する遺伝子を
持っていないため、全く興味を示しません。
欧米ではマタタビの代わりによく使用され、
影響や効果などもよく研究されています。
ただし、草本体を猫に与える場合は、
効果が強すぎる可能性があるので要注意です。
「外で育てていると猫がよってくる」
という話を耳にしますが、
枝を折ったりしないと、猫の好む香りは
しないそうです。
2.ペニーロイヤルミント
ノミ、カメムシ、アリなどの虫よけとして
効果を発揮します。
強いペパーミントの香りで、ドライハーブや
グランドカバーとしても優秀だそうです。
ただし、大量に食用すると毒性があるので、
注意が必要です。
ミントの精油(エッセンシャルオイル)は舐めると中毒症状を起こす
ここまでは、植物としてのミントについて
お話してきましたが、
精油については植物より厳格に注意が必要です。
特定の植物から抽出して純度100%のものを
「精油」と呼び、約100~1000倍に
濃縮されています。
主に焚いてアロマテラピーとして使用されますが
極度に濃縮されているため、
舐めたり皮膚に付着すると有害な場合があります。
これはミントに限らず、
全ての精油にあてはまることです。
毒性について、はっきりわかっていないので、
全部が全くダメというわけではないですが
精油を舐めたり皮膚に付着した猫が死亡した例や
毎日アロマを炊いた部屋で一緒に住んでいた猫の
肝酵素が高かった例などが報告されています。
ヒト以上に猫が精油に敏感なのは
猫特有の理由があります。
1.猫は精油を分解できない
猫は、肝臓の代謝機能が犬やヒトと異なります。
肝臓には重要な働きの一つとして「解毒」があり
体にとって有害な物質を無害な物質に変化して
体外に排出する準備をします(代謝)。
猫の肝臓は、解毒機構の一つである
グルクロン酸抱合がありません※。
そのため、精油や植物に限らず
グルクロン酸抱合で分解される一部の薬などは、
他に比べ、少量でも中毒を起こしやすいです。
※グルクロン酸抱合がない理由
猫は人間や犬と食性が異なり、
必ず動物性タンパクが必要な完全肉食動物です。
ヒトや犬は肉を摂食しなくても大丈夫なので
雑食動物に分類されます。
進化の過程で完全肉食動物は、
肉食に合った肝機能が残り、
不必要なグルクロン酸抱合は退化した
と言われています。
2.少量舐めても中毒症状に!誤って舐めたらすぐ病院へ
上述のとおり、精油は少量でも
中毒症状がでる場合があるので、
誤食した場合はすぐに病院に行きましょう。
根本的な治療法はありませんが、
支持療法で症状や命に関わるリスクの
軽減ができます。
解毒剤など根本治療ができないからこそ、
あまり様子を見過ぎない方が賢明かと思います。
ミントに限らず、植物毒性、特に精油の毒性
については、まだわかってないことが多いです。
ですので、どこまでが安全、どの種類は大丈夫か
といったデータはありません。
猫にミントを与えるときは猫用のものを与える
ヒトや犬とは、代謝機能が異なるため、
猫にだけ毒性を示すものもあります。
植物毒性については前述のとおり、
まだわかっていない点が多いので、
安全性が確立している猫用のものを
使用しましょう。
なお、ミントのガムや飴は禁忌です。
一緒によく使われるキシリトールが、
低血糖などの中毒を起こす(犬も)ので、
注意しましょう。
まとめ
- ミントは好き嫌いがある
- 毒性はよくわかってない部分も多い
- 与える場合は、猫用のものを
- ミントのガムや飴、精油は危険
- アロマテラピーも要注意!?
上述のとおり、ミントを好む猫ちゃんはいます。
だた、食用については、確立されたデータが
ないので、注意した方が無難です。
猫用商品については、安心して使用できますが、
用法用量は守りましょう。
ミント好きの子は、飼い主さんのガムなどにも、
寄ってくるかもしれませんが、
キシリトール中毒の観点から絶対にダメです。
アロマオイルは、舐めるだけでなく、
皮膚に付いただけでも中毒例があるので
保管方法等にも注意しましょう。
アロマテラピー(精油を焚いて香りを楽しむ)
については、多くのご家庭で問題なくしている
場合が多いかと思いますが、安全性は不明です。
絶対にダメとは言えませんが、
過剰な使用は避けた方が無難かもしれません。
また、猫によっては嫌いな匂いもあります。
ヒトにとっては、リラックスできるアロマも、
猫にとっては苦痛になってしまうことも…
上記のページも参考にしてみてください。
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