猫伝染性腹膜炎(FIP)は予防できるの?感染したら治らない?
猫伝染性腹膜炎という病気、
野良猫と接している人には有名ですよね。
猫を飼っているとちらちら聞こえてくる
この病気、実はとても怖い病気なのです。
英語ではFeline Infectious Peritonitisと
いうので、略称をFIPといいます。
FIV、FeLVと並び不治の病として
認識されていて、動物病院関係者にとっても
神経質にならざるを得ないものです。
おうちの子をこの病気から守るには、
もし感染してしまったらどうなるのか
知っておくにこしたことはありません。
まずは感染しないよう、FIPの予防が大切。
でも、猫にとって危険なこの病気は
予防できるものなのでしょうか?
猫伝染性腹膜炎の予防と予後について
紹介します。
この記事に書いてること♪
猫伝染性腹膜炎(FIP)は予防できるの?
まずFIPには、予防のワクチンがありません。
ウイルス性疾患なのでワクチンが作れそう
なのですが、これが難題。
現在は北里大学がこの病気の研究に
力を入れています。
FIPというのは猫の消化器症状を引き起こす
コロナウイルスが、突然変異して
強毒化し発現する病気です。
このコロナウイルスが突然変異するメカニズムが
はっきりしておらず、全貌が分からないのです。
感染しているかどうかは
コロナウイルスの抗体を持っているかで
検査するんですが、弱毒株も認識されるため
FIPウイルスなのかただのコロナウイルスなのか
微妙なこともしばしば。
この病気を予防するには
どうしたら良いのでしょうか。
1.猫を完全室内飼いにする
これは物理的に感染させない方法です。
おうちの猫がFIPに感染していないなら、
外界と接しないようにしてウイルス自体から
遠ざけます。
コロナウイルス自体は経口感染をするので、
感染猫の糞便や体液に接触しないように
するんです。
完全室内飼いは交通事故などに加え、
病気も予防できるということを
しっかり理解しましょう。
猫は一般的な家であれば、
1LDKでも快適に暮らしていけます。
FIP以外にも、猫風邪や寄生虫などの
感染症全体から守りやすいです。
2.過度なストレスを与えない
こちらは、もう既にコロナウイルスや
FIPウイルスに感染してしまった疑いのある
猫に対しての、発症させないという予防法です。
一説には過度なストレスが
コロナウイルスの変異の原因となっていると
言われているので、とにかく快適な空間を
心がけます。
過密飼いしている場所での発生が多いのも、
このあたりに起因していそうです。
また、FIPウイルスに感染してしまっている
場合ではストレスがかかると
発症しやすくなります。
ストレスがかかると免疫力が落ちるので、
自分の力ではウイルスからのダメージを
抑えられなくなるのかもしれません。
猫伝染性腹膜炎(FIP)の予防接種はあるの?
上記でもちらっと述べましたが、
FIPの予防接種はありません。
一般的にワクチンというのは
病原体の弱毒株を身体に入れて、
抗体を作るのが予防の仕組みです。
それにならってコロナウイルスの弱毒株を
体内に入れると、結局準キャリアの状態に
なってしまいます。
北里大学がかなりがんばって研究していますが、
まだ特効薬とワクチンは開発されていません。
伝染病研究室の方たちが一丸となって
研究しているので、いつか苦労が
報われてほしいですね。
猫伝染性腹膜炎(FIP)の致死率は?感染したら治らない?
FIPは発症するとほぼ100%が死亡するという、
悪夢のような病気です。
感染しただけなら発症しないように過ごせば、
天寿を全うした猫もいるようですが少数派です。
ほとんどの子が、どこかで体調を崩して
それをきっかけに発症します。
こんな恐ろしい病気におうちの猫が
感染しないよう、本当に外飼いは
止めたほうが良いです。
もし拾ってきた子や買ってきた子が
FIPを発症してしまったら、
できる限りリラックスして余生を過ごせるように
お世話してあげてください。
正直、獣医師側も見ていて辛くなる現実が
待っています。
特に子猫が発症すると急激に悪化するため、
生きようとする子猫とどんどん悪くなる状態に
泣いてはいけないけど泣きそうになりました。
猫伝染性腹膜炎(FIP)の治療法
FIPの治療法は、対症療法です。
炎症を抑えるステロイド、水分摂取のための
皮下点滴、カロリーの高いごはん、
効果が出るかは個体差のある抗ウイルス薬など。
ウイルスに対しての特効薬は存在しないので、
免疫と体力をできる限り底上げして
猫に頑張ってもらう治療です。
他のページで症状や原因についても
紹介しているので、合わせて読んでみて
くださいね↓
最終的に体力がものを言うので、
生き残る確率としては成猫のほうが
子猫よりもほんのちょっと高いです。
入院しても死亡率が高いため、せめておうちで
看取ってもらうよう通院治療をする病院が
ほとんどです。
個人的にも、病院で亡くなるよりは
おうちで飼い主さんの腕の中でのほうが良いと
考えています。
まとめ
猫伝染性腹膜炎について理解できましたか?
- ワクチンなどの薬による予防は不可能
- ネココロナウイルスが突然変異して
FIPウイルスになる - 発症時の死亡率は100%近い
- 治療は対症療法
おうちの猫がこの病気と診断されていた場合、
とても納得できる内容ではないとは思います。
ただ、知っておくことで
無理にでも覚悟を決めて、その子と
向き合ってください。
FIPじゃなくても、あらゆる病気の時には
ストレスは大きな敵です。
免疫力をあげて色々なことに対抗できるよう、
リラックスできる環境を
心がけてあげてくださいね。
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