猫のエイズの症状!うつる心配はないの?
野良猫を保護して病院に連れていった時、
おそらくウイルスチェックを勧められます。
そこでもし、エイズウイルス陽性と言われたら
びっくりしますよね。
今まさにショックを受けている人も
いるんじゃないでしょうか。
人間の方では、エイズは恐ろしい感染症として
知れ渡っていますから。
猫にも同じような感染症があって、
野良猫の間で流行することがあるため
動物医療に関わる人の悩みのひとつと
なっています。
保護猫活動をしていたり、野良猫を拾った人は
ぜひ猫エイズの症状や治療などについて
知っておきましょう。
うちの子たちはエイズキャリアなので、
実際思ったことなども紹介します。
知っていることで、気を付けることや
心の準備をすることができます。
この記事に書いてること♪
猫のエイズの症状とは?
猫エイズの症状には、大きく分けて
3つの段階があります。
ただしその時期は猫によって期間が違うし、
その子によってはキャリアのまま
天寿を全うする子もいます。
症状を知っておくことで早めに対処できることが
あるので、時期別の特徴を知っておきましょう。
1.急性期
猫エイズウイルスに感染すると、
まずは身体がウイルスと戦おうとして
反応するので風邪のような症状が出たり
リンパが腫れたりします。
徐々に治ってしまうので、
ちょっと風邪っぽかったかなくらいで
この時期は過ぎてしまうことが多いです。
子猫や弱った猫以外では、この急性期に
死亡することはあまりありません。
2.無症状キャリア期
エイズウイルスが
身体のリンパ球を徐々に冒していく時期です。
猫によっては10年以上この状態であることも
あります。
血液検査で感染を確認しますが、
見た目は元気そうな猫であることが多いです。
この時期を如何に長く保つかが、
飼い主さんの腕の見せ所です。
3.エイズ発症期
キャリアの時に進んだ病態が一定限度を超すと、
免疫不全症候群を発症します。
よくあるのは口内炎で、そこまで痛くなさそうな
炎症でも食べ物を食べなくなったりします。
軽い症状で済むエイズ関連症候群とは違って、
感染症などが重症化することが多々あります。
治療は対症療法で、
なるべく体力を落とさないように
強制給餌が必要になることも多いです。
猫がエイズ になる原因とは?
原因は猫エイズウイルスという、
レトロウイルスの一種です。
略号はFIV。
このウイルスはとても弱いウイルスで、
基本的には空気中で生きていけません。
このウイルスが免疫に関わる細胞である
リンパ球を攻撃することで、
徐々に身体の免疫が弱まっていきます。
特殊な検査をするとリンパ球の侵襲度合いが
分かるので病態の進行が分かりますが、
見た目ではどのくらい進行しているかは
分かりません。
猫がエイズになる感染経路はどんなことが考えられる?
感染経路は血液感染と粘膜感染です。
感染している猫とケンカをしたり、
交尾したりすることで感染します。
野良猫の間で流行すると爆発的に
感染が広がるので、地域猫や野良猫にとっては
強大な敵です。
キャリアの母親から子供への垂直感染は、
猫では少ないと言われています。
残念ながら、うちの子はこれでしたが・・・。
やっぱりほとんどがケンカなので、
傷だらけの大きい雄猫はキャリアとして
かなり怪しいです。
伝染病なので誰が悪いわけではないですが、
おうちの子が感染しないようにするには
室内飼いを徹底しましょう。
野良猫も被害者なんです。
猫のエイズは人間にうつるの?
人間のエイズを聞いたことがあると、
猫のエイズが人間にうつるかは
不安に思いますよね。
うつりません!
人間と猫とでは動物として
種、属、科、目、綱、門、界の「目」の部分から
分類が違うので、感染するウイルスが
一緒のことが少ないです。
基本的に病原体は宿主に対する好みが
ものすごくうるさいです。
そのため、やる悪さは同じでも
猫と人間のエイズはウイルスが違うんです。
もしおうちにエイズの子がいる場合、
人間への影響ではなく飼い主さん自身が
外から他の病原体を持って帰ってこないかを
注意した方が良いです。
人間は行動範囲が広いので、
伝染病の運び屋になりやすいんです。
手洗いはきちんとしましょうね。
猫のエイズの治療法は?
猫エイズの治療法は、
エイズ関連症候群や後天性免疫不全症候群の
対症療法です。
つまり、起こった症状に対する治療です。
残念ながらエイズには特効薬がないんです。
キャリア期にはストレスを溜めないように、
猫がリラックスできる環境を整えます。
人間でもそうなんですが、ストレスがあると
免疫機能が低下しやすいんです。
発症してしまったら、体力を落とさないように
カロリーを摂らせたり口内炎の症状を
緩和したりしてケアしていきます。
食欲を保たせるのがポイントとも言えます。
風邪を引きやすいうえに治りにくいので、
初期症状のうちに治療を開始するのも大事です。
私は動物病院で働いていたので、
帰宅してうちの子に触る前に
絶対手を洗うようにしていました。
そしてちょっと神経質かと思いますが、
仕事から帰ったままの恰好で
抱っこしないようにもしていました。
予防できるものは予防したかったんです。
猫のエイズの治療費はどれくらいかかるの?
猫のエイズの治療費は、その子により
かなり違います。
キャリア期には健康な猫とほぼ同じですが、
問題は発症してから。
併発する病気がバラバラなんです。
そこで、よく行われる治療を例として
挙げていきます。
口内炎で食べず皮下点滴や注射が必要な場合、
ラクトリンゲルや生理食塩水の点滴、
インターフェロンの注射、
口内炎のための抗炎症剤の内服で
対処することが多いです。
上記のやり方だと、内服を1週間分もらい
1週間に1回通院すると考えて、
安くても6000円くらいかかります。
弱ってくると毎日のように点滴に通ったり、
強制給餌なども行うようになるため
更に費用が掛かることが多いです。
治療は緩和治療なので、
飼い主さんがどこまでやりたいかでも
費用は大きく変わります。
飼い主さんとしては、猫にとって
苦しくない方法を選択したいですよね。
後悔しないように、猫に何をしてあげられるか
真剣に考えましょう。
猫のエイズのワクチンは打っておいた方がいいの?
きちんと勉強しようとしている飼い主さんは
真面目な人が多いので、きっとおうちの子に
3~7種のワクチンを打ってますよね。
すると、エイズのワクチンもあることを知って
「打ったほうが良いのかな?」
と気になると思います。
完全室内飼いで同居猫にエイズの猫が
いなかったら、エイズのワクチンは
打たなくても良いです。
エイズウイルスは空気感染するものではないし
弱いウイルスなので、おうちの猫が
感染猫に接触することがなければほぼ安全です。
逆に言えば、同居猫にいたらその子以外に
エイズのワクチンを打ったほうが良い。
あとは、脱走に気を付けましょう。
脱走は大体人間の油断で発生しますよ!
猫がエイズを発症したら余命はどれくらいなの?
実は発症にも2段階あります。
軽い症状が出始めるのをエイズ関連症候群、
免疫がかなり弱ってきて様々な重篤な症状が
現れるのを後天性免疫不全症候群と言います。
前者の時点では適切な治療をすれば
3~5年の生存も可能です。
後者だと血球系にも異常が現れてきて、
その子にもよりますが1~2ヵ月の余命と
言われています。
なるべく長く側にいるために体力の維持、
本人が安心する環境を整えることを
徹底しましょう。
おうちの猫がどうすれば安らかに眠れるかを、
辛いですが迷いながらでも良いので
考えましょう。
真剣に考えたほうが
後悔の少ない選択ができます。
何をやっても何かは後悔します。
しかし、辛さから逃げてはいけません。
あなたはその猫の親代わりなんですから。
まとめ
猫エイズは、不治の病の代表格です。
発症するとどんな病気も重症化する
恐ろしい病気。
それを発症させないように、
上手に付き合っていきましょう。
- 免疫を低下させるウイルスによる
- 人間には感染しない
- 生活環境を整えてキャリア期を延ばす
可愛いわが子にはずっと元気でいてほしい!
運悪くエイズに感染してしまっても、
そこから快適な生活ができれば
猫にとっては幸せです。
おうちの猫の病気のことをよく知って、
一緒に戦っていきましょう!
他のページもチェックしてみてね↓
今週のおすすめ記事6選♪
この記事をSNSでシェア